TMES株式会社

ご利用のブラウザでは動作保証対象外です
ご利用のInternet ExplorerはでMicrosoft社も利用は危険であると発信しています。
このウェブサイトもInternet Explorerでの表示は保証しておりません。
以下のブラウザでの利用を推奨いたします。

TMES MAGAZINE

進化し続ける業界動向から最新技術情報などタイムリーな情報をお届けします。

  • TOP
  • クリーンルーム床下に発生した大量の結露水への対応

クリーンルーム床下に発生した大量の結露水への対応

2025.04.15
お悩み相談室

【相談】:
夏季のクリーンルームで、床下に大量の結露水が発生しました。何が原因で、どのような対策をとればよいでしょうか。

A:
クリーンルーム内に設置されている冷却器は一般にドライコイルと呼ばれ、クリーンルーム内の発熱負荷に対する冷却を行っています。クリーンルームでは、精度の高い温度制御を行うため、このドライコイルへの冷水供給温度は室温に近い温度で設計されます。冷水供給配管温度はクリーンルーム温湿度条件の露点温度より十分高く、配管表面で結露が起こらないことを前提に、配管の断熱は一般的に施工されていません。ところが、このクリーンルームでは、結露しないはずのドライコイル配管の表面がなぜか結露し、床下に結露水が大量にたまっていました。
今回の相談では、設計時の想定より作業員や装置発熱が増加したことにより室内温度が上昇しました。そのため、冷却能力の増強を目的として、外気供給温度を露点温度近くまで下げた結果、配管表面温度が低下し、室内での湿分増加で露点温度が上昇した空気との接触により大量の結露水が発生しました。このような原因究明と対策案の検討・実行についての事例です。

通常、弊社はグループ会社の高砂熱学工業の竣工物件を引き継ぐことが多いのですが、今回はその建物と同敷地内にあり、施工会社が異なるクリーンルームに関するご相談をいただきました。設備の詳細が不明であり、図面も紛失している状況からスタートし、設計条件を確認しながら設備の改善を行うために何度も顧客と打合せを重ねました。その結果、保温が不要なはずのドライコイル配管に断熱施工を行うこととなりました。その後、結露が発生することはなくなり、他の建屋の設備についても多くのご相談をいただくようになりました。このやり取りを通じて、顧客が設備管理に前向きになり、売上にも貢献できたのではないかと考えております。弊社やグループ会社で施工した物件でなくとも、誠意を持って対応することで良い結果が得られることを実感しております。

キーワード:結露水、クリーンルーム、ドライコイル